浄土信仰の高まりの中で、阿弥陀如来が多くの聖衆を率いてお迎えに来るのを描いた「来迎図」も、死後に向かう極楽のありさまを描く「浄土図」も、数多の作品が生み出されてきました
2022年4月9日(土)~2022年5月22日(日)
古美術ってよくわかんない?とは言わせない
古美術ってなんだか色もくすんでて、どれ見てもおんなじに見える。ほほう、うーんなるほどなんて言いながら重々しく有りがたがってみるしかなかったりする、よね?
しかし、今回のこの展示ではそれは許されません。展示した以上は絶対わからせるという強い意志をそこかしこに感じる内容となっています。
まさかのチャート式
作品の横にコピーや写真が貼ってあって、あっちこっち矢印で書き込みがある。さらにその書き込み同士をカッコでくくってこのまとまりはこう、みたいな。チャート式か!
例えば今回だと、源信の頃の来迎図は「阿弥陀さんも菩薩も座ってる」一方、後世のものは「みんな立ってて衣装も金ピカ」なんですよ、ほらここ見て。とか囲んで書いてあるの。一緒にいる菩薩さんはこんなことしてるんですよ、この絵のここに、ね?とか。
ただ見てるだけじゃ何見たらいいのかよく分からんところをちゃんとサポートしてくれてます。
芸術という「体験」
おかげさまで、古美術品として展示されていたものに人間の芸術としてのオーラを感じることができました。昔の人はこうやって来迎と関わってたのか、っていうリアルが伝わってきて個々の美術品を生きた芸術として「体験した」ような気がします。
地蔵菩薩立像、思わず手を合わせたわ。地獄にいても救いに来てくれる地蔵の決意のすごさが伝わってきて震えた。
往生要集でも読んでみるか。
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情報に還元できない「体験」について書いてます