響きアラタ|響きボサノバ教室

大阪市北区のボサノバ教室 講師のブログです

サッポロのニッポンラガーが旨い。熱処理ビールの復権。

生ビール論争

かつて、生ビール論争というのがありました。

生ビール - Wikipedia

「熱処理をせず、酵母菌の入った生ビール」が一般的な認識であったが、サントリーが「熱処理をせず、酵母菌を除去した生ビール」を発売したことにより、「酵母菌の有無」をめぐって『生ビール論争』が勃発した[2][3]。「熱処理をしないビールはすべて生ビール」というサントリーの主張と、「酵母菌を取り除いたビールは生ビールではない」という他社の主張は平行線を辿った[2][3]。また「純生」の商標を巡って『純生論争』が起きた[7][注釈 6]。結果として特許庁サントリーに『純生』の商標登録を認めた[7]。

1979年、公正取引委員会が「生ビール・ドラフトビール」の定義を「熱処理をしないビールのすべて」と公示し、生ビール論争はサントリーの主張が認められた形で終結した[2][3][8]。

熱処理ビールふたたび

コンビニ限定で出してみるテスト

今になって大手ビール各社から熱処理ビールがこっそり出されてます。コンビニ限定で売ってるかわいい小瓶のビールがこっそり熱処理ビールだったりします。今まで「生がウンマーイ!シュワーッ」なんてやってた関係上、今さら大きな声では言いにくいのかなと思います。「熱処理です」なんて言っても理屈っぽくて損しそうだし。

そんな中、サッポロさんから、サークルK限定で発売されたのが、サッポロ NIPPON LAGER Premium。苦ーい、辛ーい、旨ーい。

サッポロ NIPPON LAGER Premium

良質な国産素材をたっぷり使用。熱処理ならではの厚みのある味わいを楽しめる”プレミアムなおいしさ”のビールです。

これまでの現状

大手メーカーの熱処理ビールと言えば、クラシックラガーとサッポロラガーの二択でした。クラシックラガーは昔の「キリンビール」の面影はあるものの、一旦生ビール化してしまった(スーパードライが爆発的に売れた時期)ことで何かが途絶えてしまったのか、一番搾りゼロサムになるのを危惧しているのか、何かちょっと寂しい雰囲気が拭いきれません。一方のサッポロラガー(通称「赤星」)は確実なファンが居て、お店では時々見かけます(天満にはちょこちょこあります)が、何せ瓶だけなので、お家で日常的にというわけにはいかないのが現状でした。

クラフトビール登場

そんな状況が変わるきっかけになったのはクラフトビールの登場だったのは間違いありません。生ビールが「すっきり爽快」なのに対して、色んな味わいがあるクラフトビール。「苦くて、後味が長い」熱処理ビールもちゃんと売れる。ではそれで大手メーカーも熱処理ビールにどんどん参入したかというとそうでもありませんでした。季節限定の変り種ビールや、第2第3のビールでしのぎを削っていたのです。あるいはプリン体カットとか糖質制限っぽいのとか。

プレミアムモルツ登場

では何がきっかけか?私は、サントリープレミアムモルツだったと思っています。大ヒットして新たな定番になったのはご存じのとおり。コクがあって、味わい深くて、香りが良くて、余韻がある。メーカーの売り出し方が本気だったのも功を奏しました。単なる変り種じゃない、社運がかかってる。それなら飲んでみるかという人も多かったと思います。生ビール論争には勝利したものの、当の「モルツ」は、プロモーションが成功した一時期を除いて、大人気という訳にはいきませんでした。大事なのは「麦芽100%」とか「生です」というプロフィールじゃなくて、単純に「美味しいよ」をアピールするということだった。それを当のサントリーさん自身が示してしまった。だって旨いもん、プレモル。おかわり。

そのプレモルが実現しようとした味わいは何だったか?それがどう考えても「熱処理ビールの、あの味」なんです。少なくとも、他のメーカーさんが「それなら熱処理でよくね?」と考えるには充分だったと思います。

追伸に書いたように、ラガーからエールへの多様化では?という可能性もあるのですが、私が飲んだ限りの判断ではそう思います。

さて、今後は?

キリンさんは可愛い小瓶のビールをよく見ると「生」と書いてない。どうも「美味しいよ」だけで押し切るつもりのような気がする。一番搾りもどっちも美味しいよ、と。今後は苦いのがウリの「秋味」あたりに変化があるかもしれません。

アサヒさんは沈黙を守ってる。スーパードライは大看板、「熟選」は非加熱ビールの一つの到達点。コンビニ限定でこっそりというのも今のところ見たことありません(知ってる方いたら教えて下さい)。あるいは、どこかのブルワリーに資本参加してたりとかするのかな。捲土重来を見て見たいです。

プレモルが示したもう一つ大事なことは、「本気だよ」って示せば反応する人は必ずいるってこと。だって限定醸造って応援しにくいじゃないですか。好きになりきれない。すっかり気に入ったころに「はい終わりです」って言われたらどうしたらいいのよ?ガツンと本気でつくってよ。っていつも思う。永遠の真実を!本気と応援の交流を!我々ユーザーの問題でもありますね。

追伸:ラガーとエール

プレモル青はエールビール。エールなのにひたすらさわやか。こんなのもできるのか。フィルター処理の良さがでてる気がする。

熱処理も含めてようやく選択肢が広がっていきそうです。

引き続き勉強していきます。

最初にも書きましたが日本のビールはほとんどラガービール。エールの方が古い製法でラガーは比較的新しい製法。

もちろんラガービールが日本人の口に合ったのかも知れませんが、大規模な施設を用意すれば大量生産がしやすいので、その辺が日本で多く流通している理由の1つになるのかも知れません。

特徴:すっきり、苦みが強い、ドライ、金属っぽい(Asahiは特に)、シンプル