響きアラタ|響きボサノバ教室

大阪市北区のボサノバ教室 講師のブログです

特集:姿勢改善と身体の使い方<第7回>『背筋は伸ばすな』後段飲み込むって本当は難しい

中段からの続きです

腰痛や肩こりは言うにおよばず、現状では根本的な治療方法が確立されていない顎関節症睡眠時無呼吸症候群にも福音がもたらされることでしょう。

そればかりか、ほうれい線ができる理由や美人の成り立ちも知ることができます。

もちろん心身の健康にも姿勢の良さは欠かすことができません。

本の後半では、座り方についても少し触れてあります。あとは、著者がそもそも矯正歯科の方ということで、舌や顎の話、もちろん噛み合わせの話がたくさん。姿勢とどういう関係ににあるのか?色んな側面から解説があります。

興味のある方は読んでみてください。

座り方

背筋を伸ばす

「背もたれにもたれず、背筋をまっすぐ伸ばして座りましょう」という座り方を著者は批判しています。背筋を伸ばしても見栄え以外のメリットは無いと言っています。これは武士が正座をする姿勢が影響を与えているのではないかと推測しています。あるいは富国強兵策から始まった軍事教育の残りだと。

日本人は背筋を伸ばして、椅子に座る時まで坐禅する気か?

ヨーロッパ人は椅子に座る歴史が長いので椅子をつくるのが上手く、ベンツなんかのよく出来た椅子は長く座ってると疲れるどころか、むしろ疲れがとれるという人もいるそうです。

まあ、そう信じて「いい椅子」を買ったらグダグダになってしまったわけですが。

hibiki-bossanova.hatenablog.com

飲み込むって何よ?

そもそも上顎に舌がくっついてない人っていますよね?私もそうでした。今は五分五分です。舌は上顎にくっついて頭を支えてるとすると、飲み込み方も変わってきます。

実は物心ついたころ、飲み込むっていうのが分からなくて苦労した覚えがあります。スプーンで口にご飯を入れられて「ゴックンってしなさい、ほら♡」っていうのを日々の拷問タイムだと思ってました。いつまでこの生活は続くんだと。地獄かと。

気を悪くした人がいたらごめんなさい
冗談抜きです

ご安心を。本書で理にかなった飲み込み方が解説されています。

大雑把にいうと、飲み込む方法は3つあって、ガードの固い咽をどうやって通過させるかがポイントだそうです。そう、ガード固かった!老人ホームのお父さんたちも日々悪戦苦闘しています。

  1. 口をすぼめて飲み込む
  2. 上顎に付いている舌を使って咽に発射する
  3. あまり噛まずとにかく奥に送って流し込む(丸呑み)

正解は2。私は3でした。

3の丸呑みは、噛まない方が飲み込みやすいそうです。塊の方が奥に送りやすい。まさに私!噛まないので有名でした。

1の人は年取ると口周りにシワが出やすいそうですよ。ご注意を。

同じように見えて違う

顎という最後の秘境

確かに姿勢がだいたい整ってくると、アゴってどうするの?という問題にぶつかる。現在は特に対策なしです。なんかいい方法ないかなあ。

脚は?股関節は?背骨は?ってやっていって、顎は最後までフラフラして定まらない。

自費出版と改訂版

この本の紹介は以上です。読んでみてすぐに何かが変わったわけじゃないけど、考えの幅が広がった気がします。

今回ご紹介したのは全面改訂の第二版。初版ともに自費出版です。

さらに改訂した第三版が光文社新書からでています。編集さんが入って客観的な装いになってるといいんだけど。Amazonではkindle版のみ。うーん。やっぱりトンデモ扱いなのか…

子どもの頃、親や教師から「背すじを伸ばしなさい!」と注意され続けてきた人は多いはず。けれども腰痛、肩こり、イビキにメタボ……。これらはみな「背すじ伸ばし」が原因である。では、なぜ親や教師は子どもにそう教えてきたのか。また、なぜ医学者はその弊害を語ってこなかったのか。本書は、人類史と人体構造を詳細に考察することで、歯科医でしか見つけることのできない、“姿勢のカギ”が何であるかを導き出す。

口腔外科の領域と、骨格・筋肉を全体として論じてる本は少ないんじゃないかと思います。一種の越境行為なので、殆どのお医者さんはその時点で興味失うんじゃないだろうか。たぶん相手にされてない。

それにしても直立二足歩行って、「直立二足」だけじゃなく「歩行」なんですね。歩いてなんぼの身体。

次回は、お勉強シリーズもいよいよ佳境、「直立」して「二足」で「歩行」するってどういうことなのかよくわかる本をご紹介します。足の専門家が全身を語る、越境行為シリーズ第二弾。お楽しみに!